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基本的制作事項・コツ  
  10. ウェザリング  
   
     
   
     
 
 あえて汚すことで、リアルさをより演出する(フィクションであるからこそ。)塗装方法です。
 調子にのってくると自分でも気が付かないうちにトンでもなく汚れているときがあるので、ちょくちょく距離を置いて見ることが必要です。デッサンと同じですね。
 
ドライブラシ
 
 代表的な手法に、ドライブラシというのがあります。 筆に塗料を付け、拭き取った残りを、プラモデルの角の部分にこするように付ける手法です。 筆はなんでもいいのですが、太めの丸筆を短く切ったものが便利です。
     
   
こんな筆を使う人もいます    
 
 塗料は、エナメル塗料のクロームシルバーや彩度の低いイエロー系が便利です。エナメル塗料なら、ラッカーやアクリル塗料の上から塗っても下地を冒しません。
 拭き取りは、ティッシュペーパーなどで拭き取ったあと、右利きの場合、左手の親指付け根の上にこすりつけて調子を見ます。 (メークアップアーティストの藤原さんもやっていました。)その後、ささっと力を抜いてこすったり、思いきり力を入れてばさばさとこすったり、いろいろやってみましょう。(ほどほどに。)
「塗装」しているのだ、という感覚を忘れずにやるとうまくいきます。
     
 
こんなふうにサササササッと   こんな感じ
 
 基本的に、初心者の人は塗料を付け過ぎるのでしっかりと拭き取ってから行ないましょう。上右のシャアザクの写 真を見ると、すごい勢いで行なってるにもかかわらずあまり塗料が付いていないのが分かると思います。(胸の濃い赤のエッジが白いのは光りの反射ですよ)
 一様に塗料を乗せないのが自然な仕上がりのコツです。
 
 
オイル跡、すす跡
     
   
微妙ですが(タテ線の部分などです)    
 
 メカ物の場合、バーニアや排気口のあたりが汚れているとリアル感が増しますが、エアブラシなどで適当に塗装してもインチキな感じがしてよくありません。
 
 まず、汚れがどのように付くのか、流れるのか、をちゃんと想像します。あとは、シミュレーションです。オイルがたれて、排気がこの場所に吹き付けてすすで汚れて・・・という感じで「想像」しながら 塗装することで、俄然雰囲気が出てきます。 ここでも、やりすぎに注意しましょう。
自分が思っているより弱めくらいで、たぶん丁度いいです。
 
 
スミ入れ
     
   
     
 
 スジ彫りに塗料を流し込む手法です。また、上で書きましたがオイル跡などを書き込んだりもします。 エナメルのつや消し黒やグレイ、フラットアース(濃い黄茶)などが便利です。 ボディの色に応じて、不自然に目立たないような色をセレクトしましょう。
 
 ボディの塗装がマット塗装の場合、スミ入れ塗料がボディ表面の細かな部分に浸透して広がります。それを嫌う場合はある程度ツヤを持たせた塗装をしたのちスミ入れし、スミ入れ終了後ツヤ消しのコートをするなどしなければなりません。
 しかし、スミのにじみを上手く使う表現も当然アリなので、自分だけのオリジナル塗装をいろいろ試してみましょう。
 
 まず、専用の溶剤(つまりエナメル溶剤)でしゃばしゃばに薄めます。それを面相筆に少しふくませ、スジ彫りの溝に沿ってちょんと置くと、毛細管現象でツツーっと溝に塗料が入っていきます。
     
 
しゃばしゃばに薄めて流し込む   スジ彫りに沿ってツツーっと
 
 ここで塗料の流れが悪い場合の原因は、おそらくしっかりとしたスジ彫りが彫れていないためです。今さら何言ってんだ!って感じですが、全身のスジ彫りを彫り直すのは大変な作業なので、それがめんどうくさい場合もしくは出来ない場合は、スミ入れテクでごまかすしかありません。
 
 はみ出した部分は綿棒にエナメル溶剤を付け、拭き取りましょう。(もしくは「指ティッシュ」「きれいな筆」などで)
 
 オイル跡は、実際のオイル跡をよく観察して描いてみましょう。綿棒に溶剤を含ませたものをうまく使えばきっとうまくいきます。(説明になってないな…)
 
 一番覚えておきたいのは、「やり過ぎないこと」です。初心者の方ほど、ものすごい汚れ方をしてたりしますので…。もちろん、テーマがそういうモノであれば(ワザとなら)問題ないです。 …まぁ、少しぐらい勢いあまって汚しすぎた時は、伝家の宝刀『ワザとだよ、ワザと。』と言いましょう。
 
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