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基本的制作事項・コツ  
  08. 塗装(筆塗り)  
     
・塗料について
はこちらを参考に、
・エアブラシについてはこちらを参考にしてください。
 
 筆塗りは、ある程度は筆ムラが出てしまうものですが、コツを掴むとほとんど気にならないレベルで塗装することができます。また、色によってムラが出やすいものと出にくいものがありますので、そのあたりの見極めをすることで筆塗りも充分使えます。
 オートバイのプラモデルのエンジン部分などは細かなディテールが施されて筆ムラも目立ちにくく、色もムラの目立ちにくいグレー系やシルバー系ですので、僕は筆塗りをすることが多いです。

 まず、ある程度面積のある部分に関しては、平筆が必要です。幅8mm前後のものを用意しましょう。
     
 
こんな筆が使いやすいです
(先は斜めにカットされてなくてよいです)
  こっちは面相筆
 
 そして、薄く塗ることが大事です。塗料が古くて粘度が出てきた場合、溶剤を加えて薄め、素材の色が透ける程度にサッと薄く平筆を引きます。一方方向に。筆返しをしてはいけません。
 そして、乾くまで我慢して待ちます。(アクリルはコレが遅い…)
 
 乾いた後、同じように、薄く、サッと。ある程度まで塗れたら今度は方向を90°変えて同じように塗ります。(一方方向のほうがキレイに仕上がる場合もありますので、経験を積んで適宜判断しましょう。)
 それを何度も繰返していくうちに、美しくなっていきます。
 場合によっては10回以上繰返したりします。
 こればっかりは、経験で上手になっていくと思いますので、あせらないでじっくりと取り組んでみてください。
 
 ラッカー塗料で乾燥が早すぎて塗りづらくムラになる場合、「リターダー」という乾燥を遅らせるものがあるので、それを適量混ぜてみるのも手です。乾燥が遅れるぶん、ムラが均一になります。
 
 面相筆は細かい部分(毛先だけで塗れそうな部分)の塗装に使用します。とにかく丁寧に、息をゆっくりと吐きながら「すっ」と引きます。よく息を止めて、と言われますが、息を止めると心臓の鼓動が激しくなり、余計手元が揺れます。(私だけ?)
 
 
  09. デカールの貼り方  
     一般的なプラモデルに付属のデカールは、水につけて台紙から浮き上がったシールをそっと貼付けるタイプですが、最近のものには、インスタントレタリングのように表側からこすりつけて転写させるものがあります。
 
 まず、最近のガンプラ等に採用されている、インスタントレタリング方式の貼り方を説明します。
     
 
デカールごと貼る   ボールペンでこする
 
 まず貼りたい部分の周りをカッターで切り、scotchのクリアテープでデカールの上から覆うように貼付けます。この時点では、位 置がずれないようになっていればオッケーなので、そんなに強く貼らなくてもいいです。
 
 次に、ボールペン等の先の細く丸いものでこすります。全体をこすり終えたら、テープをはがして出来上がり。超カンタンです。いちおう附属の薄い保護紙でデカールの上から押さえて密着させておきます。
     
   
はがせば出来上がり    
 
 次に、比較的難しいとされる「水デカール」について説明します。
     
   
こんなヤツですよ    
 
 まず、デカールはいろいろなものがまとめて1枚の紙に印刷されているので、使用部分を切り抜かなければなりません。 ここで、マークなどの印刷されているギリギリの所をナイフで切り抜くと、透明のニスの部分がみえないので仕上がりが美しくなる、とよく言われています。 しかし、もっと厳密にいうと、ニスの部分を「0.1mmくらい」残すつもりで切るとなお良いです。
 何故かと言うと、ギリギリを狙うと紙の厚さで切断面がたわみ、マークの端が微妙にカーブします。こうなると、よけい端(フチ)が目立ちます。
 また場合によっては手元が狂い、印刷部分までナイフが入る恐れがあり、弱いデカールの場合、上からクリアー(透明のツヤだし)やトップコートなどを吹くと、印刷の塗料が流れ出るような「にじみ」が発生する場合があるからです。
   
   
つやが光って目立つ部分。    
 
 ポスターのような、四角くて地色のあるものの場合は、ギリギリにニスを落としても目立ちません。デザインの切れ目とデカールの切れ目が一致するからです。しかし、小さな文字などのデカールの場合、上の図のようにカドが光って目立ちます。
 また、クリアでコートする場合はニスを残した方が切断面のカドが目立たない場合もあります。
   
 
クリアーでコートする場合は… ニス部分を残した方が目立たない場合も。
 
 ミニカーのようなツヤツヤボディを塗装する場合は、クリアを何度も重ねて吹き付け、ペーパーがけをくりかえし鏡のような面 を表現します。
 このとき、クリアは「薄く吹き付け少しづつ乾かしては重ね」を何度もくり返します。 デカールを犯さない程度の薄いクリア層によってデカールを保護し、さらにクリアをのせていくのです。一度にクリアを厚く吹き付けると、デカールがくちゃくちゃになりますのでご注意…。(しかも時間差攻撃が多いです。)
   
 
何度もクリアを重ねて… とぎだしすると完璧。
 
 デカールを切る時は、少なくともナイフは新品に近い刃を使用しましょう。エッジの部分の反り返りが少なくなり、目立ちにくくなります。
 
…さて話がそれたので軌道修正。…
 大きな面積を1枚のデカールでカバーする時は大変です。 一般のプラモデルに付属のデカールは弱いぶん薄くしっとりとなじむので比較的大きくても強引になじませることが出来ますが、元々2D(平面 )のものを3D(立体)に張り付けるので無理があって当然です。 初心者の方は少しくらいうまくいかなくても、やけをおこさないようにしましょう。
 
 多めのお湯を用意し(すぐに冷めないようにです)、1枚ずつ、ピンセットでつまんでお湯に付けて、数秒で引き上げます。 このとき、小さいマークなどはすぐに引き上げ、おおきなものは長湯させます。 絶対に2枚を1度にいれたりしてはいけません。
 はがす際は、やぶいたりしがちなので細心の注意を払って作業しましょう。ペロリと剥がす、というよりは、台紙からスルッっとすべりとれる感覚です。すべりとれなければ、もう少しお湯につけます。
     
 
1枚ずつ   すべりとる
 
 ピンセットを使うと、ピンセットのシャープな部分でやぶいちゃうことがありますので自分の信頼できるピンセットを持つことが大事です。
 貼付けする対象物にデカールをそっとのせて、綿棒でトントンと貼っていきます。指ティッシュでもかまいません。綿棒は細い毛が抜け落ちることもありますので、注意してください。
 水平をしっかり取れば、場所が左右にずれてもなんとか見れます。水平を取りましょう。
 
 このとき運悪くやぶけても、「ガーン」などと言わずに(みんなよく言う)、慌てずさわがず、ずれないようにくっ付けて何食わぬ 顔をします。
 くるくる巻いてしまうまでは、あきらめないようにしましょう。 逆にくるくるとデカールを巻いてしまった場合、あなたの負けなので潔くあきらめましょう。そんな時もあります。
 その場合、筆描きで再現するといったような根性を見せてもかまいませんが、傷口をさらに広げることが多いので、「このデカールは気にいらなかった」くらいの気概を見せましょう。
 
 1/43のモデルカーなどに付属しているデカールは同じ水デカールでも質が非常に強く、曲面になじませるのが大変です。 各種デカール用ケミカル(マークソフター、デカールフィットなど)が発売されていますので勘でどちらかを手に入れて使うと便利です。
 私はマークソフターを愛用しています。
     
   
マークソフター    
 
 基本的にプラモデルのときと同じですが、綿棒でトントンする時に、マークソフターをしみ込ませた綿棒で丁寧に押しつけながら貼付けます。1枚を貼るのに数十分かかったこともあります。根気よくがんばりましょう。
 これらの強いデカールは、上からラッカーのクリアー塗装などをしても痛みにくいです。しかし、痛むことには変り無いので薄く塗り、乾かし、を何度も繰返して(5〜15回ほど)丁寧に仕上げないと、前述の「それはもう大変なこと」になるので注意しましょう。
 
 さらに実践篇として、以下の制作例があります。是非ごらんください。
 →セリカGT-FOURのデカール貼り
 
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